米国聖公会 キャサリン・ジェファーツ・ショーリ総裁主教 説教

日本聖公会宣教150周年記念プログラム 夕の礼拝
─日本聖公会のはたらき─
 米国聖公会 キャサリン・ジェファーツ・ショーリ総裁主教 説教


2009年9月22日

エレミア31:8-9a、詩編103:1-6、マタイ5:1-10


今宵私たちは、日本聖公会宣教150周年を神に感謝するためここに集まっています。当時イギリス帝国の統治下にない地域で最初にこの管区が誕生したことにも感謝を捧げます。とはいえ、日本聖公会のルーツが実はアメリカ帝国主義にあることを、まず指摘したいと思います。1853年~54年ペリー提督が通商条約の締結を要求して来航した後、中国で活動していたアメリカ人宣教師が来日しました。神の働きは、平和や神聖さとは無関係の出来事から始まることもあるのです。

ウィリアムス師、リギンズ師、シュミット博士の3人の宣教師は中国から直接日本に入国し、医療や教育の分野で活動を始めました。そんな活動のひとつが現在この立教大学へと至っています。日本での積極的な宣教活動が許されるまでにはさらに数年が必要でした。しかし中国から来日したこれら宣教師たちの活動は、大変重要な意義を持っていました。19世紀半ば、聖公会をはじめとする各教派の宣教活動は、植民地主義の色彩を弱め、活動する地域の独自性を重んじる(indigenize: 現地化する)方向へ転換しつつあったのです。

これら3人の聖公会宣教師が来日したのと同時期、Henry VennとRufus Andersonが「宣教の現地化(indigenizing ministry)」について論じ始めました。その目的は、自力で宣教する力を持つ自立した教会を各地に広めることであり、そのような教会のありかたこそ、国策が変化するその後数十年間の日本において、日本聖公会が存続するために不可欠な要素となりました。

現地化し自立した教会、自らの力で宣教できる教会、という理想は預言者エレミアの描くビジョン---あらゆる場所から、様々な立場の人が集まり、神によって、それら全ての家族・国々がひとつにされる---の実現を助けるでしょう。このビジョンはまだ実現していませんが、この地に蒔かれた種は、すでに芽を出し、実を結び始めています。キリストの体に属するすべての組織と同様、日本聖公会の使命は、天の国を映す地上の姿として、全世界の和解、すべての創造物の和解に向けて働くことです。
この働きに加わるための非常に適切なヒントが、マタイによる福音書の中に2つ記されています。山上の垂訓の最初と最後の部分は、心の貧しい人、および正義のために迫害される人に、天の国へとつながる祝福が与えられると書かれています。この2つの要素は、日本聖公会とその使命を特徴づけるものです。

日本聖公会は、占領と戦争の暴力への加担を悔い改めたことで、世界のキリスト教徒に、勇気ある手本を示しました。心の貧しい人にとって、傲慢や自己弁護は不要です。彼らはただ真実を語ります。たとえそれが痛みを伴い、恥ずべきものであっても。この真実を通して、道、真理、いのちを分かち合い、天の国の実現を目指すのです。日本聖公会の謝罪は、韓国聖公会にも大きな影響を与えました。日本聖公会の証(あかし)がなければ、TOPIK(Towards Peace in Korea)の取り組みは不可能だったでしょう。

二つ目の祝福は、義のために迫害される人々に与えられます。日本聖公会が、沖縄やアイヌのために活動していることは、必ずしも広く知られているわけではありませんが、これらの地域に、天の国の物差しをもたらしました。この活動を通して、皆様方も祝福されています。

現在日本聖公会が直面する課題は、これまでの150年間と同じです。いかに信仰の人、心の貧しい人、正義の人となるか ―これらの価値を必ずしも大切にしない文化の中において。自分の周りの社会を、天の国へと変えていけるかどうかは、19世紀の宣教師たちのように、この3つの価値を生きることができるかにかかっています。(彼らもまたこれらの価値を、使徒パウロから学びました。)地域に根ざす教会は、パチンコ店やアニメ、匿名の群衆があふれる都会で福音を語っていかなくてはなりません。しかし過去にそうであったように、日本聖公会は現代においても、それを成し遂げることができるでしょう。

皆さんの証は、他者、特に同じように世俗的・物質主義文化のなかで努力しているヨーロッパや北米の教会にとって参考になるでしょう。皆さんは私たちに何を教えてくださいますか? 日本の良き地に育った種から、どのように福音を宣べ伝えますか?

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(翻訳:高山絵美)

2009.10.19 | 宣教150年記念礼拝実行委員会

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