2012年沖縄週間/沖縄の旅

命(ぬち)どぅ宝(たから) ~わたしたちが頼るべきもの~
「キリストに結ばれて歩みなさい」 コロサイ2:6


幾度も思い返し心に刻みたい沖縄の言葉があります。その一つは阿波根昌鴻(あはごん しょうこう)さんの言葉です。「平和とは人間の生命を尊ぶことです」「すべて剣をとる者は剣にて亡ぶ(聖書) 基地をもつ国は基地で亡び 核を持つ国は核で亡ぶ(歴史)」 これは、1984年に阿波根さんたちにより伊江島
に開設された、戦争の遺品と平和のためたたかった人々の足跡を紹介する「ヌチドゥタカラの家」の白い壁に記された言葉です。

 それからもう一つは沖縄県平和祈念資料館にある「展示むすびの言葉」です。一部だけ紹介します。「この なまなましい体験の前では いかなる人でも 戦争を肯定し美化することは できないはずです 戦争をおこすのは たしかに 人間です しかし それ以上に 戦争を許さない努力のできるのも 私たち 人間 ではないでしょうか」

沖縄戦は、1945年3月に始まり、90日におよぶ「鉄の暴風」は、島々の山容を変え、文化遺産のほとんどを破壊し、20数万の尊い人命を奪い去った、と言われます。この痛みと苦しみの経験から、前述のような魂がこもる数々の大切な言葉が生み出されたのだと思います。しかしながら、沖縄戦終結時から数えて67年を経たこの国の状況はいかがでしょうか。

 辺野古では、新基地建設阻止のための座り込みが15年前に開始され、海辺にテントが張られ毎日住民が通っています。少しの入れ替わりはありつつ、そこにいつもの顔が並び続けています。本来ならもう基地はいらないとの願いが速やかに聞き届けられ、すぐに解散できればよかったのですが、もはや座り込みテントの存在は日常と化しています。また、嘉手納基地で離発着訓練をする戦闘機進入路の真下には、北谷(ちゃたん)町砂辺地区があります。ここも相変わらず戦闘機が次々に、頭上間近のところを機体の腹をきらりと光らせながら、爆音を轟かせていきます。あまりの凄まじさに、そこ立っているだけでまるで脳天を叩かれたように涙が出てきます。この現実は、あの沖縄戦の痛みと苦しみからの言葉と思いを踏みにじり、あまりにも粗末にし続けているのではないでしょうか。

 私たちは、この沖縄の旅で9年間にわたり、「命どぅ宝(命こそ宝)」という言葉を冠に配したテーマを掲げてきました。今回は続く言葉として「わたしたちが頼るべきもの」を選びました。私たちはほんとうに「頼るべきもの」を見失った時代を今まさに生きているのではないでしょうか。政治も経済も毎日の生活もそして世界全体が混迷の中にあります。

聖書が示し続けていることは、主である神に頼りなさい、ということです。でも、私たちは世の偽りにごまかされ、あるいはだまされ、富、力、権力などといったものに頼り、自ら迷いの中に身を投じてしまっているのではないかと思います。

パウロは、「あなたがたは、主キリスト・イエスを受け入れたのですから、キリストに結ばれて歩みなさい。キリストに根を下ろして造り上げられ、教えられたとおりの信仰をしっかり守って、あふれるばかりに感謝しなさい。人間の言い伝えにすぎない哲学、つまり、むなしいだまし事によって人のとりこにされないように気をつけなさい。それは、世を支配する霊に従っており、キリストに従うものではありません。」(コロサイ2:6-8)と述べ、私たちに「キリストに結ばれて歩みなさい」と強く命じています。厳しい言葉です。沖縄の現実を見て、真実に触れ、み言葉にしっかりと聴き、「わたしたちが頼るべきもの」を再確認する旅にしたいと思います。ぜひこのプログラムにご参加ください。


(日本聖公会正義と平和委員会 沖縄プロジェクト委員 司祭 マルコ 柴本孝夫)



※2010年第58(定期)総会にて、これまでに続いて「沖縄週間」の継続が
決議されました。
これは、日本聖公会の全教区・教会が沖縄の現実に思いを寄せ、私たち自身が主
の平和を求めて祈ることを目的とするものです。
沖縄教区と日本聖公会 正義と平和委員会は、この週間にあわせ、沖縄の歴史及
び現在を学ぶ旅を行い、全国の皆さんをお誘いしています。ぜひ、多くの方々の
ご参加をお待ちしています。





■沖縄週間の祈り

歴史と生命の主である神よ、私たちを平和の器にしてください。
嘆きと苦しみのただ中にあなたの光を、
敵意と憎しみのただ中にあなたの愛と赦しをお与えください。
私たちの出会いを通して悲しみの中に慰めを、痛みの中に癒しを、
疑いの中にあなたへの信仰を、主よ、豊かに注ぎ込んでください。
この沖縄週間を通して私たちを新たにし、
あなたの示される解放と平和への道を歩む者としてください。
私たちの主イエス・キリストのいつくしみによって、
このお祈りをお献げいたします。 アーメン





詳細はコチラをご覧ください。pdfファイルが開きます。

2012.04.09 | 正平・沖縄プロジェクト

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