(書評紹介)『おいで子どもたち』

『おいで子どもたち』

おいで子どもたち
 ―初めて陪餐する子どもたちへ
 (2016年10月31日 初版発行) 

文 斎藤惇夫  写真 田中雅之
A6版変形・ハードカバー・32頁  定価 本体700円+税  ISBN 978-4-908946-00-4



書評誌『本のひろば』に『おいで子どもたち』の書評が掲載されました。本書のご購入に際し、ぜひご参考ください。
(ご注文は聖公書店 tel:04-2900-2771 やお近くのキリスト教書店へお願いいたします)


◆書評

もう四半世紀も前のこと。私の都合で長男はドイツで幼稚園時代を過ごした。新しい言葉であるドイツ語と、家族の言葉である日本語をどちらも習得しようと努力している彼の姿は頼もしく、そして美しかった。ドイツ語は友だちから聞いた単語を何度も使うことで覚えていたようだ。この時この単語を言うとみんなと遊べる、ということがわかり、さらにこの言葉を使うと心が通じることが理解できたようだ。

日本語のことで思い出すのは、毎晩寝る前に一緒に読んだ絵本のことだ。もちろんそれで言葉を覚えていたわけではないが、長男は自分の心の中の思いを表現するのにぴったりの美しい言葉を絵本の表現から学んで、新鮮な思いで使っていたようだ。

ある時、たむらしげるさんの『きりのカーニバル』(福音館書店、1995年)が送られてきて夢中になった。少年とロボットが満月の晩、森の中でおこなわれていた森の精たちのカーニバルに出会う。夜明けまで楽しんだ後で森の精が言った。「ここであったことは、ほかのにんげんにはないしょだよ」。その言葉が心に響いたのであろう。日本からのお客さんがわが家に泊まって、楽しく語らい、帰る朝には必ず長男は玄関でこう言った。「ここであったことは、ほかのにんげんにはないしょだよ」。言われた人たちは当惑していたが、絵本を一緒に読んでいた私にはよくわかっていた。

子どもは新しい出来事に出会って、その喜びや感動をどうやって表現するようになるのだろう。私の経験では、子どもたちはそれまでに聞いた言葉の中からぴったりの言葉を探してきて、表現しようとする。この出来事は、この感動はこういう言葉を使うとみんなに伝わるのだということを経験してゆくのだ。つながる言葉を、心が通じる言葉を見つけて行く。まねるのだ。言葉だけではないだろう。子どもたちは新しい体験をするたびに、身近な人々の様子を見ながら、どのように行動すればよいのかをまねしながら身につけていく。ぴったりの行動を探している。そうやって人生の作法をみにつけてゆく。

日本聖公会の礼拝委員会が『おいで子どもたち』を刊行した。「初めて陪餐する子どもたちへ」という副題からもわかるように、既に洗礼を受けた子どもたちが定められた年齢になって初めて聖餐にあずかることの喜びを子どもたちに語ろうとする美しい書物である。カトリック教会や聖公会、またルーテル教会などの伝統で、日本の他のプロテスタント教会ではなじみのない習慣かもしれない。

そのために礼拝委員会が話し合い、用意したこの小さな書物は、美しく知恵に富んだものだ。練達の絵本編集者であり、ご自身作家であるひとりの信徒と、瞬間を切り取って、その世界への入口を作り出すような美しい写真を撮り続けているもうひとりの信徒がひとつの詩を書いたのだ。聖餐について子どもたちに語るためのカテキズムを書いたのではない。教育にあたる教師のために解説書を書いたのでもない。もちろん誤りはないが読んでもよくわからない聖餐についての教科書を書いたのでもないのだ。子どもたちの心に語りかけたのである。

子どもたちはこの詩を通して、同じ教会の、同じ信仰をもった二人の信徒から信仰の作法を学ぶ。陪餐という初めての出来事を子どもたちはどう受け止めるのであろう。どう理解するのであろう。その感動をどう語り出すのだろう。新しい出来事に直面した時には新しい言葉が必要なのだ。だからこの詩は「おいで子どもたち」と語りだす。二千年前にそうであったように。二千年の歴史の中でそうであったように。子どもを招く。この詩を読みながら子どもたちは、語ってくれた信仰の先輩の語り口を通して、自分の思いを語るためにぴったりの言葉を見つけるであろうし、信仰の作法を伝授されるという経験をする。これは見事な信仰共同体の仕事である。

こんなことを書く必要はないのだが、もちろんここに招かれているのは子どもだけではない。ひとつの信仰共同体が共有する信仰の語り口がここにあって、おとなも自分たちの信仰の作法を言葉にすることの喜びを改めて感じるであろう。声に出して読みたい。

評者: 深井智朗(ふかい・ともあき)
(東洋英和女学院大学人間科学部教授)

※『本のひろば』2017年1月号(キリスト教文書センター発行)より

2016.12.14 | 祈祷書改正・堅信前陪餐関連

(新刊発売)『おいで子どもたち』

管区事務所から初めてとなる出版書籍が発売されました。
※本書のご注文は、聖公書店やお近くのキリスト教書店などへお願いいたします。

タイトル: 『おいで子どもたち -初めて陪餐する子どもたちへ』
文 斎藤惇夫  写真 田中雅之
A6版変形・ハードカバー・32頁
定価 本体700円+税
ISBN 978-4-908946-00-4

著者紹介
●文 斎藤惇夫(さいとう・あつお) 1940年生まれ。福音館書店の編集者を経て、児童文学者として活躍。
著書 『冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間』 (岩波書店)、『わたしはなぜファンタジーに向かうのか』 (教文館)ほか。
●写真 田中雅之(たなか・まさゆき) 1962年生まれ。フリーランスのカメラマンとして活躍。




◆『おいで子どもたち』について /日本聖公会礼拝委員より
日本聖公会で堅信前の陪餐を実施するにあたり、初陪餐に臨む子どもたちが胸に抱く「バイサンってなあに?」という思いに小さな詩で答えようとして、本書は編まれました。

洗礼を受けた人はみな、キリスト者として生涯にわたる旅路を歩んでいきます。そして、キリストのからだと血であるパンとぶどう酒をいただくことで、わたしたちのうちにキリストがいてくださることを、全身で感じ、味わいます。このパンとぶどう酒は、ご自分をささげつくしたキリストからのいつくしみと愛の贈りものです。子どもたちにも、この大きな恵みを知って初陪餐に臨んでほしいと願います。

この本は子どもがひとりで読むこともできる小さなものですが、周囲の大人の方が読み聞かせ、写真をゆっくりながめて、聖餐にあずかる意味と喜びに思いをはせる時間を子どもと一緒に過ごしてください。それが何よりの初陪餐の準備となります。


◆皆様へ /斎藤惇夫
2016年の初め、絵本のような形で聖餐の意味を伝えるようなものを出版したい、ついては、子どもの本にかかわる仕事をしてきた私に、本づくりの協力を願えないかという依頼を受けました。

私は今まで、子どもたちに向かって物語を書くことで、祈りや恩寵や罪や奇跡や、十字架などという言葉を使わずに、信仰の問題に迫っていこうとしていました。日本に生きる、それが私の生涯のテーマでもありました。

一体自分が子どもの陪餐についてどう考えているのか、それを整理しようと、私は、パソコンに向かいました。すると、自分でも思いがけなく、「おいで子どもたち」という呼びかけが心に浮かび、あとはすらすらと言葉がでてきてしまいました。礼拝委員のS司祭に声をかけられた時、ただただ、不思議なことが心の中で起こってしまったのだと、私にはそうしか考えようがありません。

ともかく私はこの小冊子を上梓しました。もし何かお感じになったことがあったら、あるいは、子どもたちがこの本に反応を示してくれたら、どんなささやかなことであっても、お教えいただけたら幸甚です。


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2016.10.26 | 祈祷書改正・堅信前陪餐関連

堅信前の陪餐に関する主教会牧会書簡・一般原則などの送付について

+主の平和がありますように

 今年6月の日本聖公会第62(定期)総会において「日本聖公会祈祷書一部改正、確定の件」(決議第4号)が可決され、2017年1月1日から施行が決まったことは、9月30日付けの「日本聖公会祈祷書および法規一部改正の施行について」でお知らせいたしました。各教会、教区の規則については、ご確認いただき、必要があれば変更の手続きをよろしくお願いいたします。法憲法規につきましては、発行の目処がつき次第改めてお知らせいたします。

 祈祷書の一部改正にともなう「主教会牧会書簡」・「一般原則(ガイドライン)」、「祈祷書の訂正シール」、「日本聖公会の交わりへの受け入れ式(指針あり)」、「初陪餐のための祈り」、「初陪餐カリキュラム試案(「堅信前の陪餐」対応)」、「『堅信前の陪餐』を巡るQ&A」(以上は全て管区ホームページから取得できます)、「おいで子どもたち」の刊行案内などを送付いたします。

  • 「主教会牧会書簡」・「一般原則」は、各教会でコピーするなどしていただき、広く信徒のみなさまと共通認識を深めていただきたいと存じます。各教区におかれましては、教役者会などで昨年発行の「堅信前の陪餐」を巡るQ&Aも合わせてご確認いただき、混乱のないように備えていただければ幸いです。管区事務所ホームページからダウンロードできます。
  • 「祈祷書訂正シール」は、そのままA4サイズのシール(ノーカットタイプ)に印刷して3冊分の作成ができますので、お手数ですが対応をお願いいたします。
  • 「受け入れ式」、「初陪餐のための祈り」、「初陪餐カリキュラム試案」、「『堅信前の陪餐』を巡るQ&A」は、管区事務所ホームページからダウンロードするなどして適宜ご使用ください。
  • 「おいで子どもたち」(700円+税、10月末発行予定、管区事務所出版の第1号の書籍です!)は、初陪餐や堅信準備のテキストとして、ぜひ広くご活用ください。小さな本ですが、陪餐について深く示唆されるものに仕上がっていますので、各教区で教役者と教会分をご購入いただくなどして広くご活用くだされば幸いです。すでに手帳等の申込みハガキが各教会へ送られていると思いますが、聖公書店にてご注文ください。お近くのキリスト教書店でも取り扱っています。クリスマスのプレゼントなどにも最適だと思います。
  • その他、「初陪餐届出書」のサンプルも管区ホームページに置いておきますが、各教区で書式を整えてくだされば幸いです。
2016年10月15日
日本聖公会 管区事務所総主事 
司祭 矢萩新一


※以下の書式一覧は、管区事務所ホームページの「資料」ページでもご覧いただけます。

「日本聖公会主教会 牧会書簡」・「堅信前の陪餐」に関わる一般原則
祈祷書訂正シール(「堅信前の陪餐」対応)
日本聖公会の交わりへの受け入れ式
初陪餐のための祈り
子どもの初陪餐に向けてのカリキュラム試案
「堅信前の陪餐」を巡るQ&A(2015年4月1日発行)
初陪餐届出書 サンプル(PDF版) ※2016年12月修正版
初陪餐届出書 サンプル(Word版)※2016年12月修正版

2016.10.13 | 祈祷書改正・堅信前陪餐関連

日本聖公会祈祷書および法規一部改正の施行について

+主の平和がありますように

 今年6月の日本聖公会第62(定期)総会におきまして、「日本聖公会祈祷書一部改正、確定の件」(決議第4号)および「日本聖公会法規の一部を改正する件」(決議第5号)・関連規則の一部改正(決議第6号・7号)が可決され、「その施行時期は主教会が別途定めるところによる」と付帯されていました。この件について、9月に行われました第221回(定期)主教会において、施行日を2017年1月1日と定めました。

 これに伴い、堅信受領が陪餐の条件ではなくなり、法規や規則の「受聖餐者」という文言が、「堅信受領者」に変更されます。

 各教区や単独宗教法人格をお持ちの各教会の法人規則の中に、「受聖餐者」や「現在受聖餐者」という文言が含まれているかどうかをご確認いただき、「堅信受領者」「現在堅信受領者」という文言に変更していただく必要があります。

 単独宗教法人の教会にあっては、教会委員会(責任役員会)や次の「堅信受領者(受聖餐者)総会」で改正の決議をしていただき、来年春か秋に行われます教区会で承認決議をしていただき、宗教法人を管轄する部署(事務所備え付け書類の提出先など)を通して所轄庁(県知事など)宛に変更届と承認を得なければなりません。また、包括法人である各教区においては来年の教区会で改正の決議をしていただき、管区の常議員会や2018年の総会で承認決議をし、所轄庁へ承認を得ることになります。それぞれの管轄する部署に相談すれば丁寧に説明してもらえるはずです。

 管区の「日本聖公会規則」もそうですが、「受聖餐者」の文言が含まれていない場合は変更の必要はございません。
 また、これを機に、それぞれの教区や教会において、住所の表記や名称などの変更がないか、現行の法憲法規の文言や内容と食い違いがないかをチェックしていただき、同時に変更されることをおすすめいたします。ただし、代表役員や住所の変更を伴う場合は、先に法務局での登記を済ませておく必要がありますのでご注意ください。

 祈祷書の一部改正に関する「主教会牧会書簡」や「一般原則(ガイドライン)」、「祈祷書の訂正シール」、「こどもの陪餐に関わるテキスト」のご案内などを、10月中にみなさまのところへお届けできるように準備中です。法憲法規は来年早々に発行予定です。

 変更の必要がある教区・教会におきましてはお手数をおかけいたしますが、ご準備と対応の程、どうぞよろしくお願いいたします。

2016年9月30日
日本聖公会 管区事務所総主事 
司祭 矢萩新一

2016.10.13 | 祈祷書改正・堅信前陪餐関連

おいで子どもたち(近日刊行予定)

新刊のご案内(2016年10月24日刊行予定)

タイトル
『おいで子どもたち -初めて陪餐する子どもたちへ』

「バイサンってなあに?」
子どもたちの素朴な問いに、あなたならどう答えますか。
児童文学作家・斎藤惇夫が、聖餐にこめられた意味と聖餐にあずかることの
素晴らしさを、一編の小さな詩に表現しました。
なにげない教会生活の風景を切り取った写真も美しい、小さな小さな絵本。
すべての〈神さまの子どもたち〉へ贈る、心あたたまるプレゼント。

著者紹介
●文 斎藤惇夫(さいとう・あつお) 1940年生まれ。福音館書店の編集者を経て、児童文学者として活躍。
著書 『冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間』 (岩波書店)、『わたしはなぜファンタジーに向かうのか』 (教文館)ほか。
●写真 田中雅之(たなか・まさゆき) 1962年生まれ。フリーランスのカメラマンとして活躍。

※本書のご注文は、聖公書店やお近くのキリスト教書店などへお願いいたします。

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2016.10.12 | 祈祷書改正・堅信前陪餐関連

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